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世界に通用する英語のウェブサイト作成

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グローバル市場は、日本の企業やブランドにさまざまな機会を提供しています。当社はデジタルエージェンシーとして、多くの日本企業の海外市場への進出の支援をしてまいりました。

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英語のウェブサイトでグローバルに事業を展開することは、海外で事業を拡大したいと考えている企業や組織にとって、当然のステップです。ただし、正しい方法で行わなければならないことに注意してください。本記事では海外のお客様・ユーザーをターゲットにしたウェブサイトを作成するためのヒントやガイドラインを、「コンテンツ」と「デザイン」という2つのシンプルなカテゴリに分けてまとめました。ぜひご覧ください。


コンテンツ

ウェブサイトが、ユーザーの興味を引くかどうかはほんの数秒ほどで決まります。ここではコンテンツが特に重要です。そのため、多くの方にとって、(英語の表現でいうところの)「コンテンツは王様」であることは周知の事実です。つまり、ユーザーの興味を捉らえ、サイトに留まり続けてもらうために、ウェブサイトコンテンツのクオリティを高める必要があるということです。そこで、ウェブサイトコンテンツのクオリティを高めるための3つの方法(「英語ネイティブのライターを使う」・「情報密度」・「メディアの選択」)を以下に記します。

1. 英語ネイティブのライターを使う

イギリス英語でもアメリカ英語でも、ネイティブスピーカーのコピーライティングにより、ブランドの品質と信頼性が大幅に向上します。

翻訳予算は、英語を母国語としない人には魅力的かもしれませんが、最終的には、意図したメッセージを適切なニュアンスで伝えられない英語のコピーになってしまうことがよくあります。多くの場合、翻訳には間違いがあります。

英語ネイティブのコピーライターは、ウェブサイトの文章を正しい英語に翻訳するだけでなく、文法やスペルのミスを確実にゼロにします。粗雑な英語で書かれたウェブサイトは、プロフェッショナルとして信頼できないと見なされることが多く、貴社のビジネスに長期的な悪影響を与える可能性があります。

Adweekの記事によると:

昨年末に英国企業Global Lingoが実施した調査によると、「消費者の74%は会社のウェブサイトでの文章の正確さを重要視しており、回答者の59%は、明らかな間違いを犯している会社との取引を避ける」ということがわかっています。

英語ネイティブのライターを利用することで、ウェブサイトの文章が自然になり、ユーザーに届きやすくなります。

なお、オンライン翻訳サービスの利用ははっきり言ってお勧めしません。確かに、時間がないとき等に手っ取り早く翻訳することができますが、翻訳結果が洗練されていないこと多く、その翻訳結果をそのまま使ってしまうと、予想外の悪影響をもたらす可能性があります。例えば、下記ように、お世辞にも良いとはいえない翻訳になってしまうことがあります。

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ソース:Self Taught Japanese

※上記翻訳は「へたり込む」を「書き込みやおなら」を意味する英語に翻訳したものですが、2020年12月現在、既に修正済みとなっています。

つまり

英語のコンテンツ作成の際は、常に英語ネイティブのライターを起用しましょう。そのためのコストをはるかに上回る長期的なメリットがあります。

2. 情報密度

アメリカの学生は幼い頃から「KISSの原則」を教えられています。原則は、“Keep It Simple Stupid”の略です。これは、「複雑なものよりもシンプルなものが一番うまくいく」という意味で、この原則に従わない人は愚か者だということを意味しています。一方、日本の学生は幼い頃から「細かい」ということを学びます。

このような文化の違いは、ウェブサイトのデザインにも反映されています。スターバックスがアメリカと日本のウェブサイトに採用しているデザインを比較してみると、そのことがよくわかります。

Starbucks – 日本語のウェブサイト

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Starbucks – 英語のウェブサイト

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複数のグラフィック、画像、テキストセクション、記事へのリンクなどのコンテンツがトップページを高い密度で埋め尽くしています。一方、アメリカのサイトのトップページは、情報量が少ないのが特徴です。一番幅を占めているバナーでさえ、数行のテキストと大きな星マークが書かれたシンプルなグラフィックしか表示していません。

欧米のユーザーにとって、日本のスターバックスのウェブサイトは「情報過多」となり、圧倒されてしまうのです。

一方で、ウェブサイトの情報が少なすぎないようにすることも同様に重要です。わかりやすさと十分な情報量のバランスを保ちながら、圧倒的に深く、過度にシンプルにならないようにコンテンツを作成することが重要なのです。これらを正しく行うことで、ユーザーと上手くつながることができるようになり、ブランドの目的をユーザーに正しく理解してもらうことができます。

つまり

ターゲットユーザーを考慮し、ユーザーにとって情報が多すぎたり、少なすぎたりしないよう、ちょうど良いバランスを見つけることが大切です。

3. メディアの選択

コンテンツには文字情報だけでなく、メディアも含まれます。“Photos as Web Content”(Webコンテンツとしての写真)の記事で、ニールセン・ノーマン・グループの視標追跡調査は、欧米のユーザーが画像をどのように認識するかについて、いくつかの結論に達しました。

  • 画像の種類によっては、完全に無視されるものもあります。これは一般的に、純粋に装飾的な感じの大きな画像の場合です。
  • その他のタイプの写真は、重要なコンテンツとして扱われ、精査の対象となります。製品や実在の人物の写真(ストック写真はこれに当てはまりません)は、多くの場合、この範疇に分類されます。
  • eコマースでは、商品写真はユーザーが商品を理解し、類商品を区別するのに役立ちます。
  • 個人のWebサイトでは、ユーザーはサイトの背後にいる人物を見たいと思っているので、たとえば、著者の写真は、ブログの使いやすさの重要な指針となります。

 
上記はいずれも心に留めておくべきポイントです。しかし、より一般的なレベルでは、英語のウェブサイトでは、ユーザーとつながるために、画像の数を少なくして、大きな画像を使用しています。 これを実感するために、Eコマース大手の楽天が運営する2つの旅行サイトを見てみましょう。

Rakuten Travel – 日本語のウェブサイト

Rakuten-JP

 

Rakuten Travel – 英語のウェブサイト

Rakuten-EN

 

上記の2つを簡単に比較してみると、英語のウェブサイトでは、より高い解像度で表示される画像の数が少なく、大きな画像が特徴的であることがわかります。楽天は、英語圏のユーザーがどのように画像情報を扱い、メディアを選択するかについての知見を持っているのでしょう。

つまり

少数の高品質な画像を使用して、ユーザーに最大のインパクトを与えることが大切です。


デザイン

第一印象は重要です。貴社のウェブサイトの訪問者は、貴社のウェブサイトがどのように見えるかによって貴社と貴社のビジネスを判断します。本記事に記載の通り、デザインセンスはカルチャーによって異なることがあります。これを理解することがとても重要です。

コンテンツと同様に、デザインも、欧米のユーザー向けのものは、スペースと簡潔なセクションに重点を置いたKISSアプローチを採用しています。

多くの欧米向けのウェブサイトは、ユーザーからの信頼と評判を築き、将来のマーケティング活動をサポートするための強力なブランディングと認知度を高めることに重点を置いています。

そのためには、ブランディングや認知させるための高度なテクニックが必要であり、今後のマーケティングにも役立ちます。そして、フォントも非常に重要です。ページに表示される言葉に具体的な形を与えるからです。

ここでは、英語サイトのデザインセンスを高めるための3つの基本的な方法(「クリーンでシンプルに」・「色の数を少なくし、ブランディングを強化する」・「優れた英語のフォントを使う」)をご紹介します。

1. クリーンでシンプルに

日本国内のウェブサイトは1つの画面スペースにできるだけ多くのコンテンツを表示しようとするケースがよく見られますが、欧米のウェブサイトは、ユーザーが一度に各コンテンツに集中できるように、空白のスペースを多く取り入れ、各コンテンツセクション用に独自のスペースを作ることを好みます。 これにより、ユーザーはコンテンツのそれぞれの部分を個別に集中して見ることができ、より良い情報を得ることができます。

7-11が日本語と英語のウェブサイトで使用した2つのデザイン戦略は、明らかに違いを示しています。

7-11 – 日本語のウェブサイト

711-JP

7-11 – 英語のウェブサイト

711-EN

 

7-11のウェブサイトは日本語版と英語版の両方でコンビニエンスストアの商品情報を提供していますが、デザインのアプローチは大きく異なっています。日本語版のデザインはグリッド状になっており、多くのデザイン要素がスペースを占めています。英語版のデザインは、各セクションのスペースを大きく取り払って、ユーザーがコンテンツのそれぞれ部分を見ることができるようにしています。

つまり

一度に多くの情報でユーザーに負担を与えるのではなく、各コンテンツセクションをシンプルにして誘導することが大切です。

2. 色の数を少なくし、ブランディングを強化する

日本のウェブサイトでは、遊び心のある親しみやすいイメージを表現するために、非常にカラフルな色遣いを多く見かけます。これは大抵の場合、魅力的なイメージとしてユーザーに認識されます。しかし、欧米の視聴者に向けて発信する場合には、同じ戦略はあまり効果的ではありません。英語のウェブサイトでは、色はブランディングの役割を果たします。遊び心や親しみやすさを演出したいのであれば、そのようなトーンを伝える文章表現を使うとよいでしょう。

ヤクルトの3つのウェブサイト(日本語版2つ・英語版1つ)は、この点を明確に示しています。

Yakult B2C – 日本語のウェブサイト

Yakult-JP

 

Yakult – 日本語の企業サイト

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英語のサイト

 

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ご覧のとおり、ヤクルトの企業サイトとB2Cサイトは、非常にカラフルで、ヤクルトドリンクのイメージカラー兼パッケージの色である赤色に限定した英語向けのサイトとは対照的です。

つまり

ウェブサイトでは、マーケティングメッセージを強化するため、御社のブランドカラーに限定することが大切です。これは、将来のマーケティング活動にも役立ちます。

3. 優れた英語のフォントを使う

最後に、フォントの話です。

日本で作られている英語サイトでは、例えば、以下の全ての要素を満たしている一見優れたサイトであっても、このシンプルで基本的なデザイン要素がおろそかになっていることがよくあります。

  • 英語のコンテンツが充実している。英語ネイティブライターによって書かれたように見える。
  • 情報密度がちょうどいい感じ。
  • 綺麗な大きな写真を使ったメディアの選択が良い。
  • デザインはすっきりとしていてシンプル。
  • いくつかの色が強いブランディング感を出している。

コードの簡単なチェックでそのフォントが判ります。

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技術的に問題があるわけではありません。ウェブブラウザに馴染みのある安全で読みやすいフォントです。しかし、他のフォントが持っているようなインパクトはありません。

何をするにしても、英語のテキストが日本語フォントで表示されるように設定されているかどうかを確認してください。

特に以下のフォントを英語で使用する際は特に注意してください。

  • MS Pゴシック
  • メイリオ
  • ヒラギノ

フォントがこのように設定されていると、様々な部分がおかしくなりますが、これに限らず、句読点と句読点の間に違和感があったり、変な形をした文字があったりすることもあります。

間違ったフォントを選択すると、読者は何かが少し「ずれている」ように感じてしまいます。これはユーザーがウェブサイトの実際のコンテンツを閲覧する際にユーザーに感じてもらいたい感覚ではないはずです。

つまり

ウェブサイトの機能やトレンドを考慮した、市場で評価されている優れた英語フォントを使って、英語のウェブサイトを作りましょう。


まとめ

英語のウェブサイトを成功させるには、ターゲットユーザーを理解することから始める必要があります。この記事では、コンテンツを作成するための6つのヒントと、ニーズに合ったデザインの必要性についてご説明いたしました。ここでもう一度まとめてお伝えいたします。

  1. 英語のコンテンツ作成の際は、常に英語ネイティブのライターを起用しましょう。そのコストをはるかに上回る長期的なメリットがあります。
  2. ターゲットユーザーを考慮し、ユーザーにとって情報が多すぎたり、少なすぎたりしないよう、ちょうど良いバランスを見つけることが大切です。
  3. 少数の高品質な画像を使用して、ユーザーに最大のインパクトを与えることが大切です。
  4. 一度に多くの情報でユーザーに負担を与えるのではなく、各コンテンツセクションをシンプルにして誘導することが大切です。
  5. ウェブサイトでは、マーケティングメッセージを強化するため、御社のブランドカラーに限定することが大切です。これは、将来のマーケティング活動にも役立ちます。
  6. ウェブサイトのテキストを表示する際には優れた英語のフォントを選択しましょう。

海外への事業拡大をご計画中でいらっしゃるようでしたら、ぜひともお手伝いさせていただければ幸いです。ご連絡をお待ちしております。