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2013年のオンラインマーケティング5つのトレンド

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毎年、新年は変化と新展開をもたらしますが、2013年はそれが顕著な年になるでしょう。私たちは、生活、仕事、遊び、そして周囲との関係に影響を与える新しいテクノロジーの急激な増加と、それに伴う劇的な変化にさらされています。巳年の2013年、何が私たちを待ち受けているのでしょうか?

ネットワイズでは、オンラインマーケティング、ウェブデザイン、開発の分野を専門としていますので、皆様のビジネスに特に重要だと考える最新動向と、それに対する私たちの見解を共有したいと思います。新年にふさわしい話題ではないでしょうか?

モバイル

2012年、スマートフォンがアメリカと他の主要市場で携帯電話機の主要シェアを占め、スマートフォンの年と言われました。日本でも人口の4分の1以上がスマートフォンを所有しており、同様のことが言えます。スマートフォンの普及は、1980年代のパソコンの普及率の10倍の速さで広がっており、史上最速で普及している消費者向けテクノロジーのようです。

この結果、私たちは皆、その小さな画面上で多くの時間を費やし、多くの作業をしています。当然、電子メールも例外ではありません。電子メール分析を行うLitmus社の最近のデータによれば、2012年の6月時点で最も多くの電子メールが読まれている(38%)のは、デスクトップパソコン上でもウェブメールを介してでもなく、モバイル機器上とのことです。

もちろん、電子メールからウェブサイトへのクリックスルーのほとんどはスマートフォンやタブレットからのものです。スマートフォンでのウェブ検索も増加しています。これらすべてが、モバイルからウェブサイトやオンラインストアへのトラフィックを増加させています。

そしてもちろん、これは検索や電子メールに限ったことではありません。今やモバイルは、ソーシャル、ビデオ、ゲーム、その他すべてのコンテンツ形式が行き交う場となっています。現在スマートフォンは、複雑に人間関係やコンテンツ、アプリ、位置情報をつなぐ中心的存在です。さらに重要なのは、現在の状態はまだ始まったばかりで、しばらくは続くと予想されることです。したがって、皆さんの会社やブランドと顧客がスマートフォンを通して行われる機会はますます増えるでしょう。

モバイルに対応するには?

  • ビジネスにまだモバイル戦略を導入していないのであれば、今すぐ実施すべきです。
  • モバイル機器の画面サイズにデザインを自動的に調整し、見た目の美しさを損なわないレスポンシブなEメールマーケティングコンテンツを用意してください。
  • Eメールからのランディングページは、パソコンだけでなくモバイル機器に対しても必ず最適化してください。
  • スマートフォンやその他のモバイル機器を利用している訪問者に対して表示されるレスポンシブウェブサイト、またはモバイル版サイトを制作してください。
  • 位置情報を持つビジネス展開(小売店、レストラン等)を行っているのなら、モバイル広告とジオフェンスの検討を開始してください。

 

タブレット

昨年のタブレットの爆発的な普及は周知の通りですが、この動向が示すポイントを理解する上で役立つ数値をいくつか見てみましょう。

  • ガートナー社は、2016年までに6億6500万台のタブレットの存在を予測
  • アップル社は、発売以来2年半で1億台のiPadを販売
  • タブレットからのEコマースウェブサイトへのアクセス数は、スマートフォンのそれを上回る
  • 「カウチコマース」が急増し、タブレットからのコンバージョン率はデスクトップからのコンバージョン率と同等

10月にMobile Marketing Data Labが発行した報告書によると、日本の人口の16%が現在タブレット機器(主にiPad)を所有しており、30%が翌年に購入予定または購入を検討中だということです。

この動向から多くの事が読み取れますが、ウェブとオンラインマーケティングに関して言えば、重要事項が2点あります。まず、ウェブサイトと電子メールのコンテンツは、タブレット機器を念頭において考え、開発する必要がでてくるということです。次に、タブレットでのウェブサイトの操作は、スマートフォンよりも簡単ではありますが、依然として制限があります。例えば、iOS(アップル社)搭載の全機種はFlashコンテンツの表示に対応していませんし、フォーム入力などの一般的な作業が面倒で間違いの元となる可能性もあります。

タブレットに対応するには?

  • iPadやその他のタブレット機器から、自社のウェブサイトを確認してください。どのように見えますか?どのように動作しますか?多くのサイトはタブレット上で問題なく動作し、あなたのサイトもそうかもしれません。もしそうでない場合は、正しく表示されるように最適化しましょう。
  • Flashコンテンツは(利用可能であれば)HTML5に置き換えるか、すべて削除しましょう。
  • 近々ウェブサイトを再構築する予定があるのであれば、必ずタブレットを含むすべての画面サイズに最適化したコンテンツを提供するレスポンシブ デザイン(下記参照)による制作をしましょう。

 

レスポンシブ(またはアダプティブ)ウェブデザイン

スマートフォンやタブレットに関する議論で必ずといっていいほど話題になるのがレスポンシブウェブザイン(RWD)です。レスポンシブウェブデザインの目的は、デスクトップパソコンからタブレット、携帯電話、電子書籍リーダー等の幅広い機器で最適化された表示を提供することです。実際どういうことかというと、皆さんのウェブサイトが使用している機器の画面サイズと機能を認識し、それに対応してコンテンツをフォーマットするということです。デスクトップユーザーには、私たちが皆見慣れている「フルバーション」が表示され、例えばiPhoneユーザーには、タッチパネル操作と小型画面に最適化された簡易・軽量バージョンが表示されることになります。

どのようなものかご覧になりたいですか?フルサイズ表示でBoston Globeのウェブサイト(下記)を開き、ブラウザの右端をドラッグしてウィンドウ幅を徐々に狭めてみてください。ウィンドウ幅に対応して、コンテンツがフォーマットされていくのを目にすることができます。

レスポンシブウェブデザインでは、ひとつのサイトデザインをあらゆる機器に対して適用する必要がありますが、アダプティブウェブデザインでは、訪問者を自動的にモバイルに最適化されたサイトにリダイレクトします。例えば、デスクトップに最適化されたwww.mydomian.comからモバイル最適化されたm.mydomain.comにリダイレクトします。通常このモデルでは、バックエンド(データベースとコンテンツ管理システム)は共有され、異なる個別のフロントエンド画面を提供します。

ユーザーが目にする最終結果は基本的に同じものです。ユーザーは、使用機器に最適化された美しいコンテンツ表示を目にすることになります。皆さんへの利点は何でしょうか?ユーザーがサイト上で過ごす時間が増えれば増える程、エンゲージメント、注文、問い合わせ、登録が増えることになります。

あなたのビジネスにとってどのような意味があるのか?

レスポンシブウェブサイトは将来間違いなく普及するでしょうが、現在も急速に広がっています。すべてに対応するひとつのウェブサイトを持つことは最高の戦略であり、すべての人が同意するでしょう。デジタル戦略家のAndrew Der氏は次のように述べています。

モバイルとタブレット機器への普遍性が開発に影響を及ぼすのは明らかです。2013年、あらゆる機器の画面でコンテンツを適切に表示する必要のあることを認識するより広範囲の戦略の一部として、企業は自社サイトの開発にレスポンシブウェブデザインのアプローチを取り入れるべきです。

まったく同意見ですね。

アダプティブウェブサイトデザインは、複数バージョンのウェブサイトやオンラインストアを制作し維持することを意味し、しばしば煩わしく非効率的な提案となります。アプリで作業するということは、プラットフォームが使用しているアプリストアにおける不可避の様々な制限に対応し、目が回るほどの数の新しい機器、寸法、画面解像度等に対応しなければならないということです。レスポンシブウェブデザインを使えば、コーディングは一度で済み、最終的に得られるものは流動的で寛容な高機能なものになります。

レスポンシブウェブデザインの唯一のマイナス面は、比較的新しい手法のため、それを理解し適切に利用できる代理店がまだ多く存在しないことです。このデザインと開発のプロセスは、従来のウェブデザインとはかなり異なるもので、基本的にプロトタイプ作業とデザイン作業が並行して行われます。テストと検証は、はるかに複雑で時間がかかります。したがって、現在適切なパートナーを見つけることは困難かもしれません。
さらに、単に現存するウェブサイトを改良してレスポンシブウェブサイトを作ることは(もし不可能でないとしても)概して非現実的です。加えて、Eコマースサイトやウェブアプリケーションなどの複雑なシステムに関して議論を始めた途端、さらに非現実的なものとなります。多くの企業が一から作り直す方法を選択するのは、その方が安上がりで簡単だからです。

今できる最良の事は何でしょう?自社のウェブサイトの分析データを詳しく調査してください。どの程度の訪問者がスマートフォンやタブレットを使用していますか?訪問者はどの経路でウェブサイトにたどり着いたのでしょうか?訪問者はウェブサイトで何をし、滞在時間はどのくらいですか?あなたの希望通りの方法で顧客へサービスを提供するためには、これらの質問に答えられなければなりません。もし、これらすべてを理解するのに助けが必要である方は、遠慮なくご連絡ください。

コンテンツマーケティング

これまでのオンラインマーケティングでは、自社製品やサービスがどれほどすばらしいのかを人々に伝え、顧客になってもらうためにそれをいかに人々に信じ込ませるかが問題でした。しかし現在では、製品を探す時、顧客が最初に訪れるのは検索エンジンであり、そこで競合他社の中から自社を見つけてもらうことが第一の優先事項となっています。この時、コンテンツマーケティングが役に立ちます。

Googleが過去数年間に行った同社アルゴリズムへの変更により、「コンテンツが王様」という格言はこれまで以上に真実のものとなっています。自社のウェブサイトに関連性があり、タイムリーで有用なコンテンツを作成し提供することは、検索結果のランキングを上げるのに役立つだけではなく、下記のように既存顧客や見込顧客との関係を構築する機会をも与えてくれます。

  • コンテンツに対して満足する、または、感謝する
  • コンテンツを友人や同僚と共有する
  • 自身のウェブサイトにコンテンツへのリンクを張る

 
これらは、明らかに色々な意味で価値のあることであり、a.)あなたのページランクを上昇させる(検索結果でのあなたのサイト順位を上げる)、b.)全体的に見て、あなたのウェブサイトへのより多くのアクセス数と関心をもたらす、という付加価値もあります。このことを、SEO企業を雇ってブログやフォーラムにリンクを投稿すること(一般的に同じ結果を得ることを目的とする施策)と比較してみれば、どちらの方が良い選択肢かは明らかです。

ここで、「コンテンツはこれまでにないほど重要である」と言うだけでは何の解決にもなりません。良いコンテンツを提供する際には欠かせない、「それを制作する」という問題があるからです。リソースと才能の限界が、効率的なコンテンツ制作の障害となりますので、コンテンツの量と質の両方から新しい要求を満たすために、外部のリソースに頼る企業が今年はかなり増えるのではないかと私は考えています。Curata社のCEO、 Pawan Deshpande氏は次のように述べています。

2013年、マーケターは自身の安全地帯から一歩踏み出し、マーケティングプログラムを刺激するコンテンツを製作するためのスケーラブルな手段を探すことになると私は予測しています。自社のマーケティングチームの外部にコンテンツ制作をアウトソーシングしようとする人々も出てくるかもしれません。コンテンツを収集するために自社組織の外部へ出て行く人も出てくるかもしれません。他の人々は自社のユーザーベースでコンテンツ制作をクラウドソースしようとするかもしれません。

コンテンツマーケティングに直接携わっている方には、アクティビティのリサーチ、計画、トラッキングに有用なツールが数多く用意されています。

ビデオ

ビデオは最新動向とは言い難いものですが、2013年、あらゆる種類のウェブサイトで多くのビデオコンテンツが公開されるでしょう。ビデオコンテンツは非常に人気があり、ウェブサイトへのトラフィックを引き寄せ、訪問者を長時間引き留め、コンバージョンをアップさせるなど、既に明らかになっている多くの利点があります。Eコマースサイトでは通常、製品ビデオはコンバージョンを50〜150%増加させ、また製品の返品数を減少させます。

現在ではビデオコンテンツ制作は非常に容易にでき、ウェブサイトでビデオを公開することはコピー&ペーストと同じくらい簡単にできます。もし、ウェブサイトにビデオを使用していないのなら、導入してみてはいかがでしょうか。一般的なビデオ形式には、紹介ビデオ(会社、個人、商品)、インタビュー、製品ビデオ、お客様の声、ビデオブログなどがあります。Videolicious社のCEO、Matt Singer氏は、今年の予想を次のように述べています。

2013年、電話とタブレットにビデオカメラを装備する従業員が増え、マーケティングでのビデオ利用が増加するでしょう。あらゆるものへビデオコンテンツが追加されるでしょう。完璧な全国放送のテレビコマーシャルやホームページビデオではなく、カスタマイズされた製品デモや、1対1の顧客サポートビデオ、顧客または従業員の声を録画したビデオなどです。

あなたのウェブサイトや外部サイト、またはYouTubeやVimeoなどの無料ビデオ共有サイトを通じて提供されるビデオコンテンツは効果的です。地元で製作されたビデオコンテンツの好例をご覧になりたい場合、Tokyo American ClubのYouTubeチャンネルをご覧ください。名古屋を拠点とするCezar’s Kitchenの紹介ビデオもすばらしいです。

 

最後に

現在、特に、オンラインマーケティングに関しては、ここで述べた以外にも数多くの変化が訪れています。リターゲティング、ビッグデータ、顧客転換率最適化、リアルタイム入札、マーケティング自動化。話題が多過ぎて一度に語ることができないほどです。この先数ヶ月、この分野から目を離さず、この市場の動向と、どのように最新のツールや技術をあなたのビジネスに利用できるのか、最新情報をチェックしてください。