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参考にしたい国内外のロイヤリティプログラム

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「1:5の法則」
新規顧客に販売するコストは、
既存顧客に販売するコストの5倍かかる。

「5:25の法則」
顧客離れを5%改善すれば、
利益が25%改善される。

以上の有名なマーケティング法則のように、リピーター顧客を増やすことは最も効率が良く、的確な利益向上といえます。
今回は海外や日本企業のロイヤリティプログラムの実例をご紹介いたします。


今すぐにでもマネできるメールを活用した感謝が顧客をファンにした事例
サウスウエスト航空
実施する難易度:★☆☆☆☆

southwest
低コストで接客対応が良く、全てのフライトにおいて無料で変更ができたりと評判のサウスウエスト航空では、実際のフライト後に「搭乗ありがとう」の感謝メッセージのメールが送られてきます。ほんの小さな取り組みですが、アメリカのブロガーの中では「顧客ロイヤリティを高めるのに派手なことをしなくていい、感謝の言葉といったちょっとしたことが大きな違いを生む」と大評判のようです。
このように今すぐにでも導入できるちょっとした気遣いのサービスで、リピーター獲得が期待できます。

航空会社にかぎらず、例えばオンラインショップなどでもお買い物をした1、2週間後に購入したアイテムに似た商品をおすすめするメルマガが送られてきたりしたら「覚えててくれたの?」みたいな感じでちょっとうれしくなってまたお買い物してしまうかもですね。
導入する場合には、いかにもテンプレート感のあるメールより、多少セグメントされ内容もできるだけお客様にあった情報を提供できるといいですね。

参考:顧客ロイヤリティを高めるのに、「ありがとう」の一言がロイヤリティプログラムよりもずっと効果的なワケ:エンゲージメントブログ


デジタルを最大限に利用した顧客満足サービスを提案
バーバリー
実施する難易度:★★☆☆☆

burberry
中国で急成長しているメッセージングアプリ「WeChat」を活用し、新商品やトレンドプロダクトの告知、また公式サイトへの誘導としてリンクの掲載などを行っているバーバリー。それとともに、カスタマーサービスとしても「WeChat」を使用。筆者が北京での最近のセールについて質問メッセージを送ったところ、24時間以内に返事が返ってきたそうです。
このように友人と連絡を取るように、企業が顧客とコミュニケーションをとることで、根強い顧客づくりへとつながります。
最近では日本でも「LINE」を活用して顧客と企業間のコミュニケーションを大切にする企業も増えてきていますね。ニュースを一方的に配信するだけではなく、顧客からのリクエストや質問に対応する点が、上顧客を増やすポイントといえるでしょう。

確かに何かお問合せしたいときに電話とかだと込み合ってる時間帯と重なって結局聞けずに時が過ぎてしまうこととかもあるので、WeChatやLINEのようなツールをつかって問い合わせができるのはとっても気軽で一般ユーザーにとってうれしいサービスですね。
問い合わせが殺到する場合を考え、返信を担当する人材をしっかり確保してから進めましょう。また、何年か前に話題になったアメリカの企業「ザッポス」のようにカスタマーサポートのレベルをアップされることも重要となるでしょう。

参考:How Burberry, Coach and Chanel win over WeChat users : DIGIDAY


ステータスを保つことでさらに特典がもらえるプログラム:
CHIPOTLE
実施する難易度:★★★☆☆

chipotle
アメリカで大人気のメキシカンブリートファストフードチェーンでは、今年の7月から9月の3か月間だけのロイヤリティプログラムを始めました。
ブリートを食べるごとに”マイルド”、”ミディアム”、”ホット”というようにステータスが上がり、各レベルに到達すると無料のアントレ(サイドメニュやドリンクメ以外のメニューのこと)がもらえます。3か月連続であるレベルに達しているとそれに応じてさらに無料アントレや20人分のケータリングサービスを無料で受けることができるそうです。

短期的なポイント集めだけで終わらせない工夫がされていますね。こちらの取り組みは今のところは期間限定。にもかかわらず、専用のカードやアプリも用意されていてお金がかかっているので、CHIPOTLEとしても長期的に実施するかを試験しているのでしょう。
ポイント等もただ貯めるだけではなく、定期的に達成ポイントあって、その達成度によって更なるサービスが受けられるとなると、ゲーム感覚でポイント集めを楽しめそうですね。
自社サービスがユーザーにとって週1利用してもらいたいものなのか、月1利用してもらいたいものなのかでかなりこのケースのロイアリティプログラムの効果は変わってくるかと思います。頻繁にユーザーに利用してもらえるサービスに有効な方法だといえるでしょう。

参考:Loyalty Case Study: Chiptopia : sweet tooth


顧客と企業の思いがすれ違い?実例から学びたいロイヤリティプログラム
スターバックス
実施する難易度:★★★★☆

starbucks
日本でも幅広いファンを持つスターバックスコーヒー。日本では実施されていないのですが、アメリカで実施されているロイヤリティプログラムの内容が今年の4月に変更され話題となりました。
今までは単価の安い商品を購入しようと、店舗へ行った回数がカウントされ、12回の訪問でフリードリンクを得ることができましたが、今回の変更以降は購入金額によって特典が受けられるという内容に変更になり、フリードリンクを得る最低額が36ドルから63ドルへと変わってしまったことでアメリカでは非難の声があがりました。
もともと高単価を消費している顧客にとってはお得になったこちらのロイヤリティプログラムですが、このプログラム内容の変更後のブランド評価はだいぶ下がったようです。

自社のロイヤリティプログラムを組む時は、顧客単価を上げるための施策をするか、低単価でも頻繁に訪問してくれる顧客をしっかりつかむか、現状の顧客層をよく把握したうえでプログラムを企画しましょう。

参考:Starbucks New Loyalty Program Case Study : clutch


商品に自信があるからこそできる顧客に安心してもらえるプログラム
Lacoste Japan
実施する難易度:★★★★★

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フランスの人気アパレルブランド「ラコステ」。今年の5月から日本国内のみで始まったユニークなロイヤリティプログラムが『生涯保障ポロ』です。
ラコステ独自で運営しているチームラコステのポイントに応じて顧客は4つのステータスに分けられます。ゴールドおよびプラチナステータス会員の方は、対象のポロシャツであれば理由の如何を問わず同一商品と交換することが可能です。
ラコステのポロシャツに関するクレームは非常に低い数値となっており、自らのポロシャツに対する絶対的な自信を顧客へ明確に発信し、さらなる顧客満足につなげる取り組みです。

この取り組みによって顧客としても安心して商品を購入できるので、自分だけでなく贈り物として購入したり、友人に教えたくなったりするので、口コミで新たな顧客獲得につながりそうですね。

参考:生涯保証ポロについて : LACOSTE Japan


以上、国内外のロイヤリティプログラムをご紹介いたしました。企業やサービスの規模でできることはもちろん限られますが、他社のロイヤリティプログラムを参考にして、独自の方法で顧客に感謝の気持ちを伝えることで、上顧客やファンを増やしていくことが長期的に見てビジネスの成功へと導いてくれることは間違いないのではないでしょうか。